花粉症の季節が近づいてきました
【花粉症とは】
現在、日本人の4人に1人が花粉症だといわれています。花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因で、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどのアレルギー症状を起こす病気です。医学用語では「季節性アレルギー性鼻炎」。花粉症の症状が現れやすいのが、鼻と目です。
鼻の三大症状と言われるのが、くしゃみ、鼻水、鼻づまり。こうした症状は、風邪と間違われやすいのですが、風邪であれば1週間程度で治るのに対し、花粉症は花粉が飛んでいる間は続くこと、さらさらとした水っぽい鼻水が流れることといった違いがあります。
一方、目の三大症状と言われるのが、目のかゆみ、目の充血、涙です。
このほか、体がだるい、熱っぽい、イライラする、喉や顔、首がかゆい、集中力が低下するといった全身症状を伴うこともあります。
【花粉症の原因】
原因となる花粉の飛ぶ季節にだけ症状があります。
日本では、約60種類の植物が花粉症を引き起こすと報告されています。
主なアレルゲンとしてスギ、ヒノキ、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、シラカンバなどがあります。
【主な花粉症原因植物の飛散カレンダー】
花粉症の原因となる主な植物の花粉飛散時期の一覧です。
お住まいの地域の花粉症原因植物とその花粉が飛散する時期を把握して早めに対策をしましょう。
【花粉症対策】
① 医療機関での治療
花粉症の治療には、症状を抑える「対症療法」と、完全に治すための「根治療法」があります。
・対症療法 … 内服薬、点鼻薬、点眼薬を使った薬物療法、レーザー手術
・根治療法 … 免疫療法
とくに注目したいのが・・・
<免疫療法>
根治療法として期待されているのが、「アレルゲン免疫療法」です。花粉症の原因となっている物質(=アレルゲン)を少ない量から取り入れ、徐々に増やして、免疫を獲得しようという治療法。花粉に反応する体質自体を変えていこうという考えです。
治療には2~3年かかりますが、花粉症が治り得る唯一の治療と言われています。
これまでは注射で行われていましたが、最近ではもっと手軽な「舌下免疫療法」に関心が高まっています。2014年1月には、国内初となるスギ花粉症と対象としたアレルゲン免疫療法薬「シダトレン(R)スギ花粉舌下液」が厚生労働省の承認を受けました。舌の裏側に薬を滴下し、そのまま2分間待ってから飲み込むというもの。注射のように痛みもなければ、頻繁に通院する必要もありません(通院は1カ月に1回ほど)。
② セルフケア
セルフケアで大切なのは、花粉との接触をできるだけ避け、予防するということ。次のようなことに気をつけましょう。
・花粉飛散情報に注意する
・花粉が多く飛んでいるシーズンは、外出時にはメガネとマスク、帽子を
・上着は、表面がつるつるとした素材のものを
・帰宅したら玄関で花粉をよくはらい、洗顔、うがいをして、鼻をかむ
・花粉が多く飛んでいる日は窓を開けない
・掃除をこまめに
・花粉が多く飛んでいる日は布団を外に干さない
当院でも花粉症の治療を行っています。
早め早めの対策が大切ですので、重症化する前に受診をしてください。