放射線検査(レントゲン検査)って大丈夫?

放射線検査の必要性】

放射線検査は、病気の診断、治療方法の選択、治療効果の判定をする上で、非常に有効な手段で、医療では欠かすことのできない重要な位置を占めています。

放射線検査は病気の早期発見、状態を知るにはとっても重要な検査のひとつです。

 放射線検査により、多くのベネフィット(利益)を得ることになりますが、一方で放射線を使うために被ばくする(医療被ばく)というリスク(不利益)も存在し、検査を不安に感じる方も多いと思います。

しかしながら、医療行為のすべてにリスクは存在しています。逆に、医療を受けないという選択にもリスクは存在しています。

 放射線検査は、ベネフィットの方が被ばく等のリスクよりも十分に上回るときのみ行われています。病気があるかどうか、またどんな病気かわからなければ治療はできず、放射線検査を受けないことによって病態を悪化させてしまうリスクがあるということも忘れてはなりません。

クリニックで使用する放射線量は、身体に影響が出ると言われている量よりもはるかに少ない量を使用しています。

そして、必要な場所にのみ必要最小限の放射線を使用し、病気を見つけ、正しい診断が下せるように検査を行っていますので、放射線による影響をご心配されることはありません。安心して検査をお受け下さい。

 

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放射線とは】 

当クリニックで放射線を利用している検査は、レントゲン検査・CT検査で、X(エックス)線という種類の放射線を使用しています。

 X線は、電波や光、または紫外線などと同じ電磁波であり、その違いは波長の長さです。したがって電波や光と同様に体や空間に残ることはありません。

 放射線の仲間はX線のほかに、α(アルファ)線、β(ベータ)線、γ(ガンマ)線などがあり、その正体はα線がヘリウム原子核β線が電子、γ線が電磁波です。

レントゲンやCTで利用しているX線は、TVや電子レンジなどで発生する電磁波の一種です。

  

【自然放射線 

 私たちは普通に生活しているだけでも放射線を受けています。人類が地球上に誕生する以前から現在に至るまで、太陽や星から1人当たり毎秒何百個という宇宙放射線をすべての人類が絶えず浴び続けているのです。

 それだけではなく、地面や周りの物、自分自身の体内にさえ天然の放射線物質が存在しています。胸部のX線撮影は0.05~0.1mSvで自然に浴びている放射線の20分の1しかありません。

 大雑把に言うと、撮影1回分の放射線量は、1週間屋外にいて宇宙や地表面から浴びている放射線量と同程度のものしか使用していないということです。

 

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【自然界からの放射線 

放射線は人類が生誕するずっと前から地球上に存在しています。
その地球で暮らす生物は少なからず放射線の影響を受けています。
普通に食べている食物にもカリウム40などの放射性物質が含まれているものが多く存在します。

 

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【日本における自然放射線の比較】

 西日本の方が高い傾向にあります。

関東地方は関東ローム層に覆われているため低い傾向にあります。

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【よくあるQ&A】

 Q:最近、繰り返しX線検査を受けているが大丈夫か? 

 A:撮影した部分が違う場所であれば別々に考え、同じ場所であれば検査の種類と受けた期間及び回数がどれくらいになるかを考えます。検査の種類にもよりますが、身体(妊婦を除く)に影響があらわれる回数は、腹部撮影でおよそ1000回、頭部撮影で600回、CTで40~140回位です。しかし、身体に細胞を修復、再生する能力があり、放射線による影響は蓄積されるものではありません。

 

一般撮影

撮影部位

被ばく線量(約)【mSv】

胸部

0.05

腹部

0.13

頭部

0.08

腰椎(側面)

0.15

骨盤

0.13

足関節

0.02

指骨

0.01

CT撮影

撮影部位

被ばく線量(約)【mSv】

頭部

1.0~2.1

胸部

5.1~15.5

腹部~骨盤

7.6~21.9

 

  • Q:介助するために一緒に検査室に入りましたが、大丈夫か?

 A:検査では画像を作るために必要な部位にのみ放射線を照射しています。放射線は人間の身体などを通過しますが、わずかに水道の水しぶきのように散乱します。それによる被ばくは直接少ない放射線があたる患者さんと比べるとさらに微量の被ばくになります。

 また、介助をお願いする場合には鉛のエプロン(防護服)を着用していただきますので、かなり被ばくは低減されます。

 

  • Q:子供がX線検査を受けたが、被ばくの影響は?

 A:小児は成人に比べ放射線に対する感受性が高いといわれています。当クリニックでは小児のX線検査において細心の注意を払っております。X線があたる場所をできるだけ小さくし、検査に必要な部位以外への被ばくを最小限にするように努めています。さらに、成人に比べかなり小さな放射線量で撮影しますので、通常のX線撮影で何らかの放射線障害が発生することはないと考えられます。 

 

【安心して検査を受けるには】

 放射線検査の実施にあたっては、できるだけ被ばく線量を少なくする努力を放射線技師がおこなっております。放射線検査を受ける際にもし不明な点や不安なことがあれば医師又は放射線技師にご相談下さい。