嘔吐・下痢などの感染性胃腸炎が急増中!!
嘔吐・下痢などの感染性胃腸炎が急増中!!
【症状】
- 嘔吐、下痢が主症状ですが、その他、軽度(37~38℃)の発熱、腹痛など個人差があります。
- 乳幼児や高齢者など体力の弱い方は、下痢、嘔吐などで脱水症状を起こすことがありますので、注意が必要です。
- 通常、1週間以内で回復しますが、症状回復後も1週間程度はウイルスの排出が続きます。
【原因】
病原体として、細菌ではサルモネラ、カンピロバクター、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌などがよく知られています。ウイルスで多いのは、成人ではノロウイルス、小児ではロタウイルスです。寄生虫としては、赤痢アメーバ、ランブル鞭毛虫などがあります。
感染源としては、カンピロバクターでは鶏肉が圧倒的に多く、サルモネラでは鶏卵によるものが最多ですが、イヌ、ミドリガメなどのペットが感染源となることもあります。腸炎ビブリオでは魚介類、腸管出血性大腸菌では牛肉、未殺菌乳が主な感染源です。ノロウイルスは、近年では冬期の食中毒の原因として最も多い病原体で、生ガキからの感染によるとされてきましたが、最近では便や吐物からのヒト‐ヒト二次感染が問題になっています。
【主な原因病原体と潜伏期間】
・ウイルス:ノロウイルス(1~3日)、ロタウイルス(1~3日)
・細菌:カンピロバクター(2~11日)、病原性大腸菌(12~72時間)
サルモネラ(12~36時間)
【ノロ・ロタウイルスについて】
・ウイルスの中でも、小型の球形ウイルスで、人の体内でしか増殖しない。
・感染力が強く、少量のウイルス量でも感染する。
・低温状態でも長く生き延びるため、冬季に感染性胃腸炎を多く発生させる。
・人から人への感染が主となる。
・冬季の乳幼児の下痢症の原因として最も多い。
・嘔吐は1~2日続き、下痢は、白色を呈する
【治療】
ウイルスが原因の場合には、対症療法が中心となります。また、細菌によるものであれば、抗生物質などが有効です
【予防対策】
- 帰宅時や食事の前、トイレの後に、石けんでよく手を洗いましょう。
- 感染した人の便やおう吐物には、直接触れないようにしましょう。
(使い捨ての手袋やキッチンペーパーなどを使って処分しましょう。)
- 調理をする場合は、よく加熱(85℃、1分間以上)しましょう。
※資料
【嘔吐物処理の注意点】
二次感染予防のために、以下のような注意が必要です
- 吐物等の拭き取り、汚染された衣類等の片づけの際には、ビニール手袋やマスク等を用いて、直接の接触を防ぐ。
- 吐物等の拭き取りに使用したペーパータオル等や汚染された衣類等は、衛生的に廃棄するか、捨てられないものは塩素系漂白剤または熱湯でつけ置き洗いする。
- 吐物のあった床等は、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度約200ppm:市販の塩素系漂白剤の塩素濃度は5~6%なので250倍に希釈)で浸すように拭き取る。(塩素ガスの発生に注意)
- 嘔吐物等を処理した場合は、必ず十分な手洗いとうがいを行う
※必ず、上記の症状が出た場合は早急に受診し、他の人にもうつさないように感染防止をお願いします。