骨密度検査と骨粗鬆症骨折の実際

【骨密度の測定方法】

骨密度を測定する方法はいくつかあり、背骨、手首、足のかかとなど、いろいろな場所で

測定できます。

当院の測定方法は真ん中の超音波法になります。超音波ですので放射線被ばくがありません。

 

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【椎体のX線検査】

背骨(胸椎・腰椎)のX線(レントゲン)写真で、骨粗鬆症脆弱性骨折がはっきりと見られれば骨粗鬆症です。骨粗鬆症化が疑われるという程度の場合は、骨量減少という診断になります。

骨がもろくなったときに起こる脆弱性骨折が認められれば、骨密度の値が骨量減少のレベルであっても、骨粗鬆症と診断されます。

当院では骨密度とレントゲンを撮り画像両方の検査結果で骨粗鬆症を診断しています。

 

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【身長測定】

25歳のときの身長と比べどのくらい縮んでいるかは、骨粗鬆症の指標になります。

若い時の身長よりだいぶ低くなった時は椎体骨折があるかもしれません。

骨密度は少年期~思春期で骨量が最大値となり、あとは下がる一方で20歳~44歳を100%とすると45歳~49歳で98%、50歳~54歳で90~92%、55歳~59歳で82~83%になってしまうという統計が出ています。

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【血液検査・尿検査】

 骨代謝マーカーという検査により、骨の新陳代謝の速度を知ることができます。骨代謝マーカーは血液検査、尿検査によって測定されます。骨吸収を示す骨代謝マーカーの高い人は骨密度の低下速度が速いことから、骨密度の値にかかわらず骨折の危険性が高くなっています。
この検査は、骨粗鬆症を他の病気と区別するためにも行われます。 

【診断手順】

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【続発性骨粗鬆症

続発性骨粗鬆症は、骨の代謝に影響を与えるホルモン異常、栄養障害、炎症、薬物および先天性疾患などの病気が原因となります。

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脆弱性骨折なしの場合】

 

骨密度値

脊椎X線像での 骨粗鬆化

正常

YAMの80%以上

なし

骨量減少

YAMの70%以上 80%未満

疑いあり

骨粗鬆症

YAMの70%未満

あり

 

脆弱性骨折ありの場合】

脆弱性骨折:低骨量(骨密度がYAMの80%未満、あるいは脊椎X線像で骨粗鬆化がある場合)が原因で、軽微な外力によって発生した非外傷性骨折。

骨折部位は脊椎、大腿骨頸部、橈骨遠位端、その他

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原発骨粗鬆症の診断基準】

低骨量をきたす骨粗鬆症以外の疾患または続発性骨粗鬆症を認めず、骨評価の結果が下記の条件を満たす場合、原発骨粗鬆症と診断する。

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【椎体の骨内部構造】

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【正常と骨粗鬆症の椎体部X線画像の比較】

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【椎体変形の半定量的(SQ)評価法】

側面のX線写真の目視により、椎体変形の程度を正常(グレード0)を基準にして、軽度変形(グレード1)、中程度変形(グレード2)と高度変形(グレード3)に分類。

 正常像と考えられる椎体の形態に基づき椎体高の低下や椎体面積の減少を推定します。

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【X線画像のグレード分類】

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骨粗鬆症による椎体圧迫骨折原因】

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骨粗鬆症による椎体圧迫骨折症例】

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【大腿骨頭の骨内部構造】

 

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骨粗鬆症による大腿骨頭骨折症例】

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骨粗鬆症による上腕骨頸部骨折症例】

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骨粗鬆症による手関節骨折症例】

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骨粗鬆症性骨折の臨床的危険因子】

 骨粗鬆症性骨折の危険因子は、女性、高齢者、低骨密度、既存骨折、喫煙、飲酒、ステロイド薬使用、骨折家族歴、運動、体重、BMI、カルシウム摂取、転倒に関する因子など多くの危険因子がある。

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【ADL・QOLの低下】

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骨折により自立機能が障害され、高齢者の日常生活動作(ADL)および生活の質(QOL)の低下を来たし、介護を要したり、果ては寝たきりや死に至ることにもなります。

骨粗鬆症の予防と治療は、骨折の予防を最大の目標としています。骨粗鬆症の治療目的は、骨密度の増加ではなく、脆弱性骨折を防止することにあります。

そのためには、しっかり検査をして現在の自分の骨密度の状態をしることが大切であり、早めの予防・治療をおこない、いつまでも笑顔で生活できるようにしましょう。

 

 

食中毒

夏に増える『細菌性食中毒』。予防するポイントは !?

腹痛や下痢、おう吐などの症状が急に出たことはありませんか。そんなときに疑われるもののひとつが「食中毒」です。食中毒は、飲食店などで食べる食事だけでなく、家庭での食事でも発生しています。家庭での食中毒を防ぐのは、食材を選び、調理する皆さん自身です。『3つの原則』と『6つのポイント』で食中毒を防ぎましょう。


【食中毒の原因は何? 主な原因は「細菌」と「ウィルス」】
食中毒を引き起こす主な原因は、「細菌」と「ウイルス」です。細菌もウイルスも目には見えない小さなものです。細菌は温度や湿度などの条件がそろうと食べ物の中で増殖し、その食べ物を食べることにより食中毒を引き起こします。一方、ウイルスは低温や乾燥した環境中で長く生存します。ウイルスは、細菌のように食べ物の中では増殖しませんが、食べ物を通じて体内に入ると、人の腸管内で増殖し、食中毒を引き起こします。

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細菌が原因となる食中毒は夏場(6月~8月)に多く発生しています。その原因となる細菌の代表的なものは、腸管出血性大腸菌O157O111など)やカンピロバクターサルモネラ属菌などです。食中毒を引き起こす細菌の多くは、室温(約20℃)で活発に増殖し始め、人間や動物の体温ぐらいの温度で増殖のスピードが最も速くなります。例えば、O157O111などの場合は、7~8℃ぐらいから増殖し始め、35~40℃で最も増殖が活発になります(*)。また、細菌の多くは湿気を好むため、気温が高くなり始め、湿度も高くなる梅雨時には、細菌による食中毒が増えます。
一方、低温や乾燥した環境中で長く生存するウイルスが原因となる食中毒は冬場(11月~3月)に多く発生しています。食中毒の原因となる代表的なウイルスであるノロウイルスは、調理者から食品を介して感染する場合が多く、ほかに二枚貝に潜んでいることもあります。ノロウイルスによる食中毒は、大規模化することが多く、年間の食中毒患者数の5割以上を占めています。

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【台所に潜む食中毒の危険 ~最近とウィルスは食材や自分の手に~】
食中毒は、飲食店などの外食で発生しているだけでなく、家庭でも発生しています。家庭における食中毒は、症状が軽かったり、家族のうち全員には症状が出なかったりする場合もあるため、食中毒であると認識されないケースも少なくありません。
厚生労働省の統計では、家庭での食中毒の発生件数は全体の1割程度となっていますが、実際にはもっと多く発生していると推測されます。家庭にも食中毒の危険が潜んでいるのです。

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食中毒の原因となる細菌やウイルスは目に見えないため、どこにいるか分かりませんが、私たちの周りの至るところに存在している可能性があります。
肉や魚などの食材には、細菌やウイルスが付着しているものと考えましょう。
また、いろいろな物に触れる自分の手にも、細菌やウイルスが付着していることがあります。細菌やウイルスの付着した手を洗わずに食材や食器などを触ると、手を介して、それらにも細菌やウイルスが付着してしまいますので、特に注意が必要です。
きれいにしているキッチンでも、食中毒の原因となる細菌やウイルスがまったくいないとは限りません。食器用スポンジやふきん、シンク、まな板などは、細菌が付着・増殖したり、ウイルスが付着しやすい場所と言われています。

 

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【 食中毒予防の原則3つ  ①つけない ②増やさない ③やっつける 】
食中毒は、その原因となる細菌やウイルスが食べ物に付着し、体内へ侵入することによって発生します。食中毒を防ぐためには、細菌の場合は、細菌を食べ物に「つけない」、食べ物に付着した細菌を「増やさない」、食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」という3つのことが原則となります。
その基本的な方法は、次のとおりです。
(1)つけない
洗う!分ける!
手にはさまざまな雑菌が付着しています。食中毒の原因菌やウイルスを食べ物に付けないように、次のようなときは、必ず手を洗いましょう。
・調理を始める前
・生の肉や魚、卵などを取り扱う前後
・調理の途中で、トイレに行ったり、鼻をかんだりした後
・おむつを交換したり、動物に触れたりした後
・食卓につく前
・残った食品を扱う前
また、生の肉や魚などを切ったまな板などの器具から、加熱しないで食べる野菜などへ菌が付着しないように、使用の都度、きれいに洗い、できれば殺菌しましょう。加熱しないで食べるものを先に取り扱うのも1つの方法です。焼肉などの場合には、生の肉をつかむ箸と焼けた肉をつかむ箸は別のものにしましょう。 食品の保管の際にも、他の食品に付いた細菌が付着しないよう、密封容器に入れたり、ラップをかけたりすることが大事です。
(2)  増やさない
  低温で保存する!
  細菌の多くは高温多湿な環境で増殖が活発になりますが、10℃以下では増殖がゆっくりとなり、マイナス15℃以下では増殖が停止します。食べ物に付着した菌を増やさないためには、低温で保存することが重要です。肉や魚などの生鮮食品やお総菜などは、購入後、できるだけ早く冷蔵庫に入れましょう。なお、冷蔵庫に入れても、細菌はゆっくりと増殖しますので、冷蔵庫を過信せず、早めに食べることが大事です。
(3) やっつける
  加熱処理!
  ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅しますので、肉や魚はもちろん、野菜なども加熱して食べれば安全です。特に肉料理は中心までよく加熱することが大事です。中心部を75℃で1分以上加熱することが目安です。
ふきんやまな板、包丁などの調理器具にも、細菌やウイルスが付着します。特に肉や魚、卵などを使った後の調理器具は、洗剤でよく洗ってから、熱湯をかけて殺菌しましょう。台所用殺菌剤の使用も効果的です。

 

 【 細菌やウイルスの付着を防ぐ正しい手の洗い方 】

手に付着した細菌やウイルスは、水で洗うだけでは取り除けません。指の間や爪の中まで、せっけんを使って正しい方法で手を洗いましょう。 

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【食中毒を防ぐ6つのポイント~食品の購入から食べるまでの過程で予防の原則を実践 】 
家庭での食中毒予防は、食品を購入してから、調理して、食べるまでの過程で、どのように、細菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」を実践していくかにあります。ここでは、「買い物」「家庭での保存」「下準備」「調理」「食事」「残った食品」の6つのポイントで、具体的な方法を紹介していきます。
(1)買い物
・消費期限を確認する
・肉や魚などの生鮮食品や冷凍食品は最後に買う
・肉や魚などは汁が他の食品に付かないように分けてビニール袋に入れる
・寄り道をしないで、すぐに帰る

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(2)家庭での保存
・冷蔵や冷凍の必要な食品は、持ち帰ったらすぐに冷蔵庫や冷凍庫に保管する
・肉や魚はビニール袋や容器に入れ、他の食品に肉汁などがかからないようにする
・肉、魚、卵などを取り扱うときは、取り扱う前と後に必ず手指を洗う
・冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に保つ
・冷蔵庫や冷凍庫に詰めすぎない(詰めすぎると冷気の循環が悪くなる)

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(3)下準備
・調理の前に石けんで丁寧に手を洗う
・野菜などの食材を流水できれいに洗う(カット野菜もよく洗う)
・生肉や魚などの汁が、果物やサラダなど生で食べるものや調理の済んだものにかからないようにする
・生肉や魚、卵を触ったら手を洗う
・包丁やまな板は肉用、魚用、野菜用と別々にそろえて使い分けると安全
・冷凍食品の解凍は冷蔵庫や電子レンジを利用し、自然解凍は避ける
・冷凍食品は使う分だけ解凍し、冷凍や解凍を繰り返さない
・使用後のふきんやタオルは熱湯で煮沸した後しっかり乾燥させる
・使用後の調理器具は洗った後、熱湯をかけて殺菌する(特に生肉や魚を切ったまな板や包丁)。台所用殺菌剤の使用も効果的。

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(4)調理
・調理の前に手を洗う
・肉や魚は十分に加熱。中心部を75℃で1分間以上の加熱が目安。

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(5)食事
・食べる前に石けんで手を洗う
・清潔な食器を使う
・作った料理は、長時間、室温に放置しない

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(6)残った食品
・残った食品を扱う前にも手を洗う
・清潔な容器に保存する
・温め直すときも十分に加熱
・時間が経ちすぎたものは思い切って捨てる
・ちょっとでもあやしいと思ったら食べずに捨てる

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【 食中毒かなと思ったら 】
おう吐や下痢の症状は、原因物質を排除しようという体の防御反応です。
医師の診断を受けずに、市販の下痢止めなどの薬をむやみに服用しないようにし、早めに医師の診断を受けましょう。

 

この時期からも危険‼『熱中症』予防と応急処置

近年、地球の温暖化に伴い春の後半から気温上昇が激しく、真夏日には40℃を超える日々が続くことがあります。そして近年著しく増加しているのが『熱中症』です。

熱中症』はちょっとした注意で防ぐことができます。外出時やレジャーだけでなく、普段から心がけておくと良いことをあげてみますので、参考になればと思います。

熱中症とは】

 

“高温・多湿の環境に身体が適応しないことによって起こる様々な症状の総称”で、進行状況や内臓、身体機能への影響によって、細かく4つに分類されます。 

 

 

暑さによって末梢血管が拡張し、血圧が低下する

血液の循環量が不足し、めまいや失神が起こる

 

  • 熱けいれん

 

大量の発汗によって、ナトリウム量が低下する

筋肉が硬直して、筋肉の痛みやけいれんが起こる

 

 

大量の発汗によって、脱水状態が進行する

体液の不足により、体温が上昇し、頭痛や吐き気、虚脱感が起こる

 

  • 熱射病

 

熱中症の分類の中で最も重症

症状が進行し、体温調節機能が失われる

40度以上の高熱がみられ、発汗が止まり、意識障害が起こる

 

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最近では、上記のような分類では、実際には見分けは難しく、基準もあいまいであることから、重症度に応じて診断基準を分かりやすくしたⅠ~Ⅲ度分類が適用されることも多くなってきました。

 

Ⅰ度は軽症とされ、熱失神・熱けいれんに当てはまります。

 

Ⅱ度は熱疲労に分類されます。

 

Ⅲ度は重症で、熱射病に当てはまります。

  • 中枢神経症状
  • 肝臓・腎臓機能障害

血液凝固異常のうち1つでも症状に見られる場合、Ⅲ度と診断され、Ⅰ度にもⅢ度にも当てはまらないものがⅡ度と診断されます。

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適切な対処がなされないと、発症から時間が経つにつれて、進行し重症化していきます。

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軽度のうちに症状に気が付き、適切な対処をし、症状の進行を食い止めることが大切です。

 

【予防のポイント】

 

熱中症は、応急処置の速さも大切ですが、やはり予防が最も重要です。

予防のポイントは5つです。 5月頃からしっかり準備して熱中症を予防しましょう。

 

1 気温・湿度のチェック


熱中症は高温・多湿の環境に気をつけることが大切ですから、気温と湿度のチェックを怠らず、
室内では、エアコンや扇風機で環境を整えることが必要です。
高温環境を示す数値は「暑さ指数」を参考にするようにします。
気温・湿度・輻射熱から算出する指数で、夏になると毎日予報がでますので、
気にかけて服装などを決めると良いでしょう。

 

2 こまめな水分補給


暑い時は、目に見えなくても多量の発汗により、水分を失っています。
喉の渇きを感じる前に、こまめに水分を補給することが必要です。
特に運動や労働時は、注意が必要です。体を動かしている時は、
15分~20分おきには休憩をとり、水分補給しましょう。

 

3 暑い中での無理な運動を避ける


運動時は熱中症のリスクが高まります。
最も暑い時間の活動を避け、運動時間を短縮するなど、リスク管理が必要です。
普段より多く休憩をとるようにして、体調によっては、中止しなければいけません。
特に運動経験が少ない人は、リスクが高まります。
暑い時に急に運動を始めるよりも、日頃から運動をし、体を慣れさせておく必要があります。

 

4 服装


吸水性や速乾性に優れている通気性の良い素材を選ぶようにしましょう。
体を締め付けすぎないように気をつけ、熱を逃す工夫をします。
淡い色の方が暑さを吸収しにくいので、白などの色を選ぶようにして、
帽子や日傘で日差しを遮るようにします。

5 体調管理


疲労や体調不良が、熱中症の発生リスクを高めます。
寝不足や食生活が乱れないように、日頃から体調管理を怠らないようにすることが大切です。

 

熱中症になってしまったら】

 

熱中症かもしれない、と思ったらまずまっ先にしなければならない基本中の基本を挙げてみたので、いざというときのために、ぜひ、覚えておきましょう。

 

  • 涼しい日陰やクーラーの効いた室内などに移動する
  • 衣類をゆるめて休む
  • 体を冷やす

氷や冷たい水でぬらしたタオルを手足に当てる。

氷や冷たい水がない場合は、タオルやうちわ、衣服などを使ってあおぎ、風を送って

冷やす。

  • 水分を補給する

 

   このとき、水分だけではなく、汗によって失われた塩分も補給する必要があります。

  スポーツドリンクなどを少しずつ何回にも分けて補給しましょう。

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ここまでは、自分でもできる応急処置。軽い症状の場合はこれで良い場合もあるが、気分が悪くなるほどなら、ここから先は、周囲の人にサポートしてもらう必要があります。

あなたの家族や友人・知人が熱中症になったときのことを考えて、ぜひ頭に入れておきましょう。

また、レジャーなどにでかけるときは、タオルや冷たい水を入れた水筒、スポーツドリンクや日陰をつくれるようなパラソル、レジャーシートなどを持参するのもよいでしょう。

 

  • 筋肉がけいれんしているなら(熱けいれん)

けいれんしている部分をマッサージします。また、体の特定の部分(例えば脚など)が冷えているなら、その部分もマッサージしましょう。

  • 皮膚が青白く、体温が正常なら(熱疲労

心臓より足を高くして、あおむけに寝かせます。水分が摂れるなら、少しずつ薄い食塩水かスポーツドリンクを何回にも分けて補給しましょう。

 

  • 皮膚が赤く、熱っぽいなら(熱射病)

上半身を高くして座っているのに近い状態で寝かせ、とにかく体を冷却。首、脇の下、足のつけ根など、血管が皮膚表面に近いところを氷などで集中的に冷やします。氷がない場合は、水を体にふきかけ、風を送って冷やす。アルコールで体を拭くのも良いでしょう。このとき注意したいのは、体の表面だけを冷やしてふるえを起こさせないことです。

 

  • 意識がはっきりしない場合は

反応が鈍い、言動がおかしい、意識がはっきりしない、意識がない。こういった場合はすぐに救急車を呼びましょう。同時に、応急処置をしておきましょう。また、意識がはっきりしない、もしくは意識がない場合の水分補給は厳禁です。また、吐いてしまった場合にのどを詰まらせないよう横向きに寝かせましょう。

 

  • 症状が回復しても必ず病院へ

回復したつもりでも体内に影響が残っていたり、再発のおそれがあります。熱中症になったら、回復した後でも必ず病院で診てもらいましょう

  

熱中症は予防ができる病気です。 

熱い夏を元気に過ごすため、熱中症のことをよく知り、しっかり予防しましょう。 

心臓や腎臓、その他持病をお持ちの方は、夏の過ごし方についてかかりつけの医師 に相談し、上手にコントロールしましょう

 

 

『5月病』いったいどんな病気?対策法は!

実は『5月病』は正式な病名ではありません。大学に入りたての学生や、新社会人に5月頃に多く見られ、新しい生活に夢中でいる間はいいが、それがひと段落する5月頃に、知らずしらずのうちに蓄積されていた心身の疲れや、新しい環境や人間関係などについていけないストレスのせいで、やる気が出ない、ふさぎこんでしまうなどの状態になることを言います。

 

【症状と原因】

五月病の代表的な症状は以下のようになります。

  • なんとなく気分が落ち込む
  • 疲れやすい
  • 仕事や勉強、家事などに集中できない
  • 眠れない

 

今の時期、このような倦怠感や虚脱感が当てはまった人は、五月病の可能性があります。

また、より深刻になると、精神的な症状だけでなく、下記の肉体的な症状が出ることもあります。

  • 食欲不振
  • 胃の痛み
  • めまい
  • 動悸

 

どうしてこのような症状が出るかというと、五月病の原因はストレスだからです。

 医学的に考えると、新しい環境の変化についていけないことで起きる精神疾患として「適応障害」があります。適応障害は5月だけでなく、6月・人によっては夏休みを終えた9月頃に発症するなど、その発症は季節を限定しません。

 

 適応障害の主な原因として

  • 初めての一人暮らしや時間の使い方の変化など、新しい環境についていけない
  • 新しい人間関係が思うようにいかない
  • 入試・入社といった大きな目標を達成した解放感がある
  • 大きな目標を達成したことにより、次の目標を見失ったり、混乱したりする
  • 想像していた新生活と現実のギャップについていけない

 

【なりやすいタイプ】

 五月病になりやすい人の主な特徴は下記の通りです。

  1. 真面目な人
  2. 責任感がある人
  3. 忍耐力がある人
  4. 融通が利かない人
  5. ロマンチストな人

 

そもそも不真面目で責任感もなく、忍耐力もない人は季節を問わずいつでものんびりしているはずですが、五月病適応障害の一種であり、外的・内的要因によるストレスと自分の処理能力のバランスが崩れたときに発症すると考えると、真面目で・責任感があり・忍耐力がある人ほど、ストレスを多く溜めこみがちになることが予想されます。

ロマンチストというのは、つまり理想が高い人ということ。高すぎる理想は往々にして現実と乖離しますから、その結果として大きな失望や挫折を経験し『五月病』になりやすいと考えられます。

 

【対策・予防法】

 

五月病はたいていの場合、一過性の心身不調ですので、だいたい1~2ヶ月で自然と環境に慣れ、症状がよくなるとされています。一般に「若者の通過儀礼のようなものだから、放っておけば治る」と言われているのはある意味ではあっているのでしょう。

しかし、五月病は医学的には適応障害という病気に分類されるとする意見が主流で、この病気は、外的・内的要因によるストレスが、自分の処理能力を超えてしまったときに起きる心(と身体)の一時的な故障状態であり、抑うつ気分や不安を主症状に、場合によっては就業・就学そのものが不可能になる場合があります。

 五月病の対策・予防法は大きく分けて、「コミュニケーション」「食事」「睡眠」「リラックス」の4つです

 

  1. コミュニケーションでストレスを軽減する

 

職場の同僚や同期、家族や友人などとのコミュニケーションの機会を大切にしてください。

信頼できる相手に悩みを話すだけでもストレスは軽減されます。

 

 

 

 

2.栄養バランスのよい食生活を意識する

 

人間の身体が食べたものでできているからには、どんなものを食べるかというのは非常に重要な問題になります。

例えば、脳内の神経伝達物質であり、感情をコントロールするホルモンのセロトニンは、動物性タンパク質のトリプトファンを原料に合成され、偏った食事では脳への取り込みが阻害されます。栄養バランスが重要です。

 

  1. 質の良い睡眠を確保する

 

睡眠は心と身体の回復に重要な役割を果たします。睡眠の質を上げるために「起床/就寝の生活リズムを整える」「夕食は就寝2時間前まで、入浴は1時間前まで」「寝る前にテレビやパソコンを見ない」などの生活習慣を身につけましょう。

また、最新の研究では、GWなどの長期休暇などで「寝だめ」などいつもと違う睡眠サイクルになることで、睡眠リズムが崩れることが五月病の原因だとする説もあります。

 

  1. 休日は仕事を忘れてリラックスする

 

休日は自分の好きなことに時間を費やし、仕事のことは忘れ、体を動かす、読書をする、映画を見る、料理、アロマ、ヨガ etc.休日はリラックスをするようにしましょう。このときに前述したセロトニンも分泌されやすくなります。

 

 睡眠を十分にとっているのに悩みや疲れが消えない、心身の不調がなかなか治らない状態が1ヵ月以上続く場合は、適応障害が軽度のうつ病に移行している可能性があります。

仕事や勉強、家事などにやる気がなくなるだけではなく、好きな趣味など、以前は興味があったものにも関心がなくなったりする場合は要注意ですので、早めに医療機関に受診するようにしてください。

放射線検査(レントゲン検査)って大丈夫?

放射線検査の必要性】

放射線検査は、病気の診断、治療方法の選択、治療効果の判定をする上で、非常に有効な手段で、医療では欠かすことのできない重要な位置を占めています。

放射線検査は病気の早期発見、状態を知るにはとっても重要な検査のひとつです。

 放射線検査により、多くのベネフィット(利益)を得ることになりますが、一方で放射線を使うために被ばくする(医療被ばく)というリスク(不利益)も存在し、検査を不安に感じる方も多いと思います。

しかしながら、医療行為のすべてにリスクは存在しています。逆に、医療を受けないという選択にもリスクは存在しています。

 放射線検査は、ベネフィットの方が被ばく等のリスクよりも十分に上回るときのみ行われています。病気があるかどうか、またどんな病気かわからなければ治療はできず、放射線検査を受けないことによって病態を悪化させてしまうリスクがあるということも忘れてはなりません。

クリニックで使用する放射線量は、身体に影響が出ると言われている量よりもはるかに少ない量を使用しています。

そして、必要な場所にのみ必要最小限の放射線を使用し、病気を見つけ、正しい診断が下せるように検査を行っていますので、放射線による影響をご心配されることはありません。安心して検査をお受け下さい。

 

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放射線とは】 

当クリニックで放射線を利用している検査は、レントゲン検査・CT検査で、X(エックス)線という種類の放射線を使用しています。

 X線は、電波や光、または紫外線などと同じ電磁波であり、その違いは波長の長さです。したがって電波や光と同様に体や空間に残ることはありません。

 放射線の仲間はX線のほかに、α(アルファ)線、β(ベータ)線、γ(ガンマ)線などがあり、その正体はα線がヘリウム原子核β線が電子、γ線が電磁波です。

レントゲンやCTで利用しているX線は、TVや電子レンジなどで発生する電磁波の一種です。

  

【自然放射線 

 私たちは普通に生活しているだけでも放射線を受けています。人類が地球上に誕生する以前から現在に至るまで、太陽や星から1人当たり毎秒何百個という宇宙放射線をすべての人類が絶えず浴び続けているのです。

 それだけではなく、地面や周りの物、自分自身の体内にさえ天然の放射線物質が存在しています。胸部のX線撮影は0.05~0.1mSvで自然に浴びている放射線の20分の1しかありません。

 大雑把に言うと、撮影1回分の放射線量は、1週間屋外にいて宇宙や地表面から浴びている放射線量と同程度のものしか使用していないということです。

 

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【自然界からの放射線 

放射線は人類が生誕するずっと前から地球上に存在しています。
その地球で暮らす生物は少なからず放射線の影響を受けています。
普通に食べている食物にもカリウム40などの放射性物質が含まれているものが多く存在します。

 

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【日本における自然放射線の比較】

 西日本の方が高い傾向にあります。

関東地方は関東ローム層に覆われているため低い傾向にあります。

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【よくあるQ&A】

 Q:最近、繰り返しX線検査を受けているが大丈夫か? 

 A:撮影した部分が違う場所であれば別々に考え、同じ場所であれば検査の種類と受けた期間及び回数がどれくらいになるかを考えます。検査の種類にもよりますが、身体(妊婦を除く)に影響があらわれる回数は、腹部撮影でおよそ1000回、頭部撮影で600回、CTで40~140回位です。しかし、身体に細胞を修復、再生する能力があり、放射線による影響は蓄積されるものではありません。

 

一般撮影

撮影部位

被ばく線量(約)【mSv】

胸部

0.05

腹部

0.13

頭部

0.08

腰椎(側面)

0.15

骨盤

0.13

足関節

0.02

指骨

0.01

CT撮影

撮影部位

被ばく線量(約)【mSv】

頭部

1.0~2.1

胸部

5.1~15.5

腹部~骨盤

7.6~21.9

 

  • Q:介助するために一緒に検査室に入りましたが、大丈夫か?

 A:検査では画像を作るために必要な部位にのみ放射線を照射しています。放射線は人間の身体などを通過しますが、わずかに水道の水しぶきのように散乱します。それによる被ばくは直接少ない放射線があたる患者さんと比べるとさらに微量の被ばくになります。

 また、介助をお願いする場合には鉛のエプロン(防護服)を着用していただきますので、かなり被ばくは低減されます。

 

  • Q:子供がX線検査を受けたが、被ばくの影響は?

 A:小児は成人に比べ放射線に対する感受性が高いといわれています。当クリニックでは小児のX線検査において細心の注意を払っております。X線があたる場所をできるだけ小さくし、検査に必要な部位以外への被ばくを最小限にするように努めています。さらに、成人に比べかなり小さな放射線量で撮影しますので、通常のX線撮影で何らかの放射線障害が発生することはないと考えられます。 

 

【安心して検査を受けるには】

 放射線検査の実施にあたっては、できるだけ被ばく線量を少なくする努力を放射線技師がおこなっております。放射線検査を受ける際にもし不明な点や不安なことがあれば医師又は放射線技師にご相談下さい。

 

 

まず、一歩 乳がん早期発見の為の自己検診方法!!

【月に一度の自己検診を!!】

乳がんは、自分で見つけることができる可能性が高いがんです。早期発見のためにぜひ行っていただきたいのが、セルフチェック(自己検診)です。
セルフチェックは毎月、生理が終わって一週間前後に行うと効果的です。生理前だと乳房に痛みや張りがあり、正確な判断がしづらいためです。閉経後の人は月に1度、日にちを決めて行うのが良いと思います。定期的にチェックすることで、ふだんの乳房の状態がわかり、変化に気づきやすくなり早期発見できます。
 ただし、しこりが見つかっても落ち込んでしまうのは早計です。しこりの原因は人によってさまざまで良性腫瘍や乳腺症の可能性もあります。また、乳がん以外の原因も多く考えられます。少しでも異常を見つけたら、ためらわずに早急に受診してください。

当院では専門医と乳腺エコーの検査をおこなっております。

 

乳がんの症状】

乳がんになった場合、以下のような症状が見られることがあります。

 

・乳房、わきの下にしこりがある
・乳房にひきつれ、くぼみがある
・乳頭の異常(湿疹・ただれ・分泌物)がある
・乳房皮膚の異常(発疹・はれ・ただれ)がある

 

しかし、ごく初期の段階では、しこりもわからないほど小さかったり、痛みや体調不良などの自覚症状もないことが多いのです。乳がんを放置しているとリンパ節や他の臓器に転移しやすいため、少しでも違和感を感じることがあったら医療機関で検査を受けることはもちろん、自覚症状がなくても定期的に検診を受けることが大切です。

 

乳がんの発症リスク】

最も大きなリスク要因は遺伝的なものです。とくに母親や姉妹に乳がんになった人がいる場合は、リスクは2倍になると言われています。

 また、乳がんは一般的に次のような人がなりやすいといわれています。
・初潮年齢が早かった方(11歳以下)
・出産経験のない、または初産年齢が遅い方(30歳以上)
・閉経年齢が遅かった方(55歳以上)

 これは、乳がんの発生には、女性ホルモンであるエストロゲンが大きく影響しているためです。

エストロゲンは女性の体を作るための重要な働きをしているホルモンですが、分泌されている期間が長いほど、乳がんのリスクが高まるのです。妊娠・授乳期には分泌が止まるため、それだけリスクが減ることになります。閉経後はエストロゲンの分泌が止まりますが、別のホルモンが脂肪組織でエストロゲンに変わります。したがって、閉経後の肥満もリスクの一つです。
 日本では、乳がんにかかる人は30代から増加し始め、50歳前後をピークとして減少する傾向にあります。しかし、20代でも、閉経後でも乳がんになる場合があります。年代にかかわらず、乳がんの危険性を認識して、セルフチェックを続けることや検診を受けることが大切です。

 

【自己検診の例】

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祝小学校入学!お済ですか!? MR (麻疹・風疹) ワクチン接種

 麻疹(はしか)、風疹(三日ばしか)は、それぞれのウイルスによって、皮膚を中心に症状が起こる感染症です。麻疹は冬の終わりから春にかけて、風疹は冬から初夏にかけて患者数が増加します。

どちらも乳児期後半から学童期の子どもに多い疾患でしたが、乳幼児期に予防接種を受けていない子どもが増えたために、近年は感染者の増加が問題となっています。

 

【原因】

 原因はウイルス感染です。麻疹(はしか)ウイルス、風疹ウイルスに感染している人のせきやくしゃみ、鼻水などによって感染者からウイルスが飛び散り、直接飛沫を吸い込んだり、手や肌に触れることで感染します。麻疹(はしか)は感染力が強いので、空気中に浮遊しているウイルスを吸い込み空気感染することもあります。

 麻疹(はしか)は感染するとほぼ100%発病しますが、風疹はウイルスに感染しても、20~40%の人はまったく症状がでないままで終わることがあります。

 

【麻疹(はしか)の症状】

 伝染力が極めて強いウイルスで、発熱、咳、鼻汁、目やに発疹を引き起こします。約10~

12日の潜伏期間のあと、38℃前後の熱が出て、一時的におさまりますが、再び39~40℃の

高熱と発疹が出てきます。3~4日高熱が続いたのち下がり、発疹も次第に消えていきます。

 主な合併症は気管支炎・肺炎(100人中1~6人程度)、中耳炎(100人中7~9人程度)

脳炎(1000~2000人に1人)、亜急性硬化性全脳炎という遅発性の脳炎(約10万

人に1人)などがあります。また、麻疹患者の1000人に1~3人程度の割合で亡くなる

とも言われています。予防接種をすれば合併症はほとんど起こりません。

 

【風疹の症状】

 感染してから症状が出るまでの潜伏期間は2~3週間あり、軽い風邪の症状から始まり、

発熱、発疹、頚のリンパ線が腫れるといった症状が出ます。発疹も熱も2~3日で治ること

から『三日はしか』とも呼ばれています。年長児や大人の場合重症になることが多く、2~

3日では治りにくくなります。

 妊婦が妊娠初期にかかると先天性風疹症候群といって先天性心疾患、難聴、白内障などを

もつ赤ちゃんが生まれてくる可能性があるので、妊娠前に免疫をつけておく必要があります。

                     

【予防策】

 予防策としては、麻疹・風疹のワクチンの予防接種をうけることです。麻疹(はしか)の予防接種は決められた期間であれば、国の負担で受けることができます。また、予防接種前にはしかに感染している人に接触してしまったときは、すぐに医師に相談しましょう。麻疹(はしか)は感染してから症状が出るまでに10~12日程度かかり、その間に適切な治療を受けることで軽症で済む場合があります。

 麻疹(はしか)と同様に、決められた期間であれば国の負担で予防接種を受けることができます。妊娠3カ月以内で風疹にかかると、胎児に影響が出ることがありますので、これから赤ちゃんを産む予定の女性でワクチンの接種を受けていない人は、必ず予防接種を受けましょう。自分がすでに風疹にかかったことがあるかどうかは、血液検査で調べることができます。

 

【接種期間】

・第1期:生後24~24ヵ月で接種できます。地域で流行しているときは自費で生後6ヵ月

     からでも受けることができますので医師に相談ください。

 

・第2期:5~7歳未満で小学校就学前1年間に1回接種します。

     万一、この1年間に接種しなかった場合は、自費接種となってしまいますが、できる

     だけ早く、遅くとも夏休み前までに2回目を受けることが大切です。

 

【かかってしまった時の対処法】

 発疹や発熱など、はしかや風疹と思われる症状があらわれたらすぐに受診しましょう。また、他の人にうつさないためにもはしかは熱が下がってから3日間、風疹では発疹がおさまるまでの間は幼稚園や学校、会社は必ず休みましょう。

 とくに、麻疹(はしか)では発熱によって大量の汗が出るので、こまめに水分を補給しましょう。果汁ジュースや麦茶、紅茶などは、汗で失ったビタミンや塩分も補うことができます。また、赤ちゃんは発熱があると機嫌が悪くなって飲まなくなり、脱水症状を起こすこともあります。こまめに飲ませて、十分な補給を心がけましょう

 熱があるときは、氷枕や冷却ジェルなどで頭を冷やすと楽になります。また、発熱で体力を消耗しますから入浴は控え、かわりに蒸したタオルで顔や体を拭くとスッキリとして気分も良くなります。