『5月病』いったいどんな病気?対策法は!

実は『5月病』は正式な病名ではありません。大学に入りたての学生や、新社会人に5月頃に多く見られ、新しい生活に夢中でいる間はいいが、それがひと段落する5月頃に、知らずしらずのうちに蓄積されていた心身の疲れや、新しい環境や人間関係などについていけないストレスのせいで、やる気が出ない、ふさぎこんでしまうなどの状態になることを言います。

 

【症状と原因】

五月病の代表的な症状は以下のようになります。

  • なんとなく気分が落ち込む
  • 疲れやすい
  • 仕事や勉強、家事などに集中できない
  • 眠れない

 

今の時期、このような倦怠感や虚脱感が当てはまった人は、五月病の可能性があります。

また、より深刻になると、精神的な症状だけでなく、下記の肉体的な症状が出ることもあります。

  • 食欲不振
  • 胃の痛み
  • めまい
  • 動悸

 

どうしてこのような症状が出るかというと、五月病の原因はストレスだからです。

 医学的に考えると、新しい環境の変化についていけないことで起きる精神疾患として「適応障害」があります。適応障害は5月だけでなく、6月・人によっては夏休みを終えた9月頃に発症するなど、その発症は季節を限定しません。

 

 適応障害の主な原因として

  • 初めての一人暮らしや時間の使い方の変化など、新しい環境についていけない
  • 新しい人間関係が思うようにいかない
  • 入試・入社といった大きな目標を達成した解放感がある
  • 大きな目標を達成したことにより、次の目標を見失ったり、混乱したりする
  • 想像していた新生活と現実のギャップについていけない

 

【なりやすいタイプ】

 五月病になりやすい人の主な特徴は下記の通りです。

  1. 真面目な人
  2. 責任感がある人
  3. 忍耐力がある人
  4. 融通が利かない人
  5. ロマンチストな人

 

そもそも不真面目で責任感もなく、忍耐力もない人は季節を問わずいつでものんびりしているはずですが、五月病適応障害の一種であり、外的・内的要因によるストレスと自分の処理能力のバランスが崩れたときに発症すると考えると、真面目で・責任感があり・忍耐力がある人ほど、ストレスを多く溜めこみがちになることが予想されます。

ロマンチストというのは、つまり理想が高い人ということ。高すぎる理想は往々にして現実と乖離しますから、その結果として大きな失望や挫折を経験し『五月病』になりやすいと考えられます。

 

【対策・予防法】

 

五月病はたいていの場合、一過性の心身不調ですので、だいたい1~2ヶ月で自然と環境に慣れ、症状がよくなるとされています。一般に「若者の通過儀礼のようなものだから、放っておけば治る」と言われているのはある意味ではあっているのでしょう。

しかし、五月病は医学的には適応障害という病気に分類されるとする意見が主流で、この病気は、外的・内的要因によるストレスが、自分の処理能力を超えてしまったときに起きる心(と身体)の一時的な故障状態であり、抑うつ気分や不安を主症状に、場合によっては就業・就学そのものが不可能になる場合があります。

 五月病の対策・予防法は大きく分けて、「コミュニケーション」「食事」「睡眠」「リラックス」の4つです

 

  1. コミュニケーションでストレスを軽減する

 

職場の同僚や同期、家族や友人などとのコミュニケーションの機会を大切にしてください。

信頼できる相手に悩みを話すだけでもストレスは軽減されます。

 

 

 

 

2.栄養バランスのよい食生活を意識する

 

人間の身体が食べたものでできているからには、どんなものを食べるかというのは非常に重要な問題になります。

例えば、脳内の神経伝達物質であり、感情をコントロールするホルモンのセロトニンは、動物性タンパク質のトリプトファンを原料に合成され、偏った食事では脳への取り込みが阻害されます。栄養バランスが重要です。

 

  1. 質の良い睡眠を確保する

 

睡眠は心と身体の回復に重要な役割を果たします。睡眠の質を上げるために「起床/就寝の生活リズムを整える」「夕食は就寝2時間前まで、入浴は1時間前まで」「寝る前にテレビやパソコンを見ない」などの生活習慣を身につけましょう。

また、最新の研究では、GWなどの長期休暇などで「寝だめ」などいつもと違う睡眠サイクルになることで、睡眠リズムが崩れることが五月病の原因だとする説もあります。

 

  1. 休日は仕事を忘れてリラックスする

 

休日は自分の好きなことに時間を費やし、仕事のことは忘れ、体を動かす、読書をする、映画を見る、料理、アロマ、ヨガ etc.休日はリラックスをするようにしましょう。このときに前述したセロトニンも分泌されやすくなります。

 

 睡眠を十分にとっているのに悩みや疲れが消えない、心身の不調がなかなか治らない状態が1ヵ月以上続く場合は、適応障害が軽度のうつ病に移行している可能性があります。

仕事や勉強、家事などにやる気がなくなるだけではなく、好きな趣味など、以前は興味があったものにも関心がなくなったりする場合は要注意ですので、早めに医療機関に受診するようにしてください。

放射線検査(レントゲン検査)って大丈夫?

放射線検査の必要性】

放射線検査は、病気の診断、治療方法の選択、治療効果の判定をする上で、非常に有効な手段で、医療では欠かすことのできない重要な位置を占めています。

放射線検査は病気の早期発見、状態を知るにはとっても重要な検査のひとつです。

 放射線検査により、多くのベネフィット(利益)を得ることになりますが、一方で放射線を使うために被ばくする(医療被ばく)というリスク(不利益)も存在し、検査を不安に感じる方も多いと思います。

しかしながら、医療行為のすべてにリスクは存在しています。逆に、医療を受けないという選択にもリスクは存在しています。

 放射線検査は、ベネフィットの方が被ばく等のリスクよりも十分に上回るときのみ行われています。病気があるかどうか、またどんな病気かわからなければ治療はできず、放射線検査を受けないことによって病態を悪化させてしまうリスクがあるということも忘れてはなりません。

クリニックで使用する放射線量は、身体に影響が出ると言われている量よりもはるかに少ない量を使用しています。

そして、必要な場所にのみ必要最小限の放射線を使用し、病気を見つけ、正しい診断が下せるように検査を行っていますので、放射線による影響をご心配されることはありません。安心して検査をお受け下さい。

 

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放射線とは】 

当クリニックで放射線を利用している検査は、レントゲン検査・CT検査で、X(エックス)線という種類の放射線を使用しています。

 X線は、電波や光、または紫外線などと同じ電磁波であり、その違いは波長の長さです。したがって電波や光と同様に体や空間に残ることはありません。

 放射線の仲間はX線のほかに、α(アルファ)線、β(ベータ)線、γ(ガンマ)線などがあり、その正体はα線がヘリウム原子核β線が電子、γ線が電磁波です。

レントゲンやCTで利用しているX線は、TVや電子レンジなどで発生する電磁波の一種です。

  

【自然放射線 

 私たちは普通に生活しているだけでも放射線を受けています。人類が地球上に誕生する以前から現在に至るまで、太陽や星から1人当たり毎秒何百個という宇宙放射線をすべての人類が絶えず浴び続けているのです。

 それだけではなく、地面や周りの物、自分自身の体内にさえ天然の放射線物質が存在しています。胸部のX線撮影は0.05~0.1mSvで自然に浴びている放射線の20分の1しかありません。

 大雑把に言うと、撮影1回分の放射線量は、1週間屋外にいて宇宙や地表面から浴びている放射線量と同程度のものしか使用していないということです。

 

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【自然界からの放射線 

放射線は人類が生誕するずっと前から地球上に存在しています。
その地球で暮らす生物は少なからず放射線の影響を受けています。
普通に食べている食物にもカリウム40などの放射性物質が含まれているものが多く存在します。

 

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【日本における自然放射線の比較】

 西日本の方が高い傾向にあります。

関東地方は関東ローム層に覆われているため低い傾向にあります。

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【よくあるQ&A】

 Q:最近、繰り返しX線検査を受けているが大丈夫か? 

 A:撮影した部分が違う場所であれば別々に考え、同じ場所であれば検査の種類と受けた期間及び回数がどれくらいになるかを考えます。検査の種類にもよりますが、身体(妊婦を除く)に影響があらわれる回数は、腹部撮影でおよそ1000回、頭部撮影で600回、CTで40~140回位です。しかし、身体に細胞を修復、再生する能力があり、放射線による影響は蓄積されるものではありません。

 

一般撮影

撮影部位

被ばく線量(約)【mSv】

胸部

0.05

腹部

0.13

頭部

0.08

腰椎(側面)

0.15

骨盤

0.13

足関節

0.02

指骨

0.01

CT撮影

撮影部位

被ばく線量(約)【mSv】

頭部

1.0~2.1

胸部

5.1~15.5

腹部~骨盤

7.6~21.9

 

  • Q:介助するために一緒に検査室に入りましたが、大丈夫か?

 A:検査では画像を作るために必要な部位にのみ放射線を照射しています。放射線は人間の身体などを通過しますが、わずかに水道の水しぶきのように散乱します。それによる被ばくは直接少ない放射線があたる患者さんと比べるとさらに微量の被ばくになります。

 また、介助をお願いする場合には鉛のエプロン(防護服)を着用していただきますので、かなり被ばくは低減されます。

 

  • Q:子供がX線検査を受けたが、被ばくの影響は?

 A:小児は成人に比べ放射線に対する感受性が高いといわれています。当クリニックでは小児のX線検査において細心の注意を払っております。X線があたる場所をできるだけ小さくし、検査に必要な部位以外への被ばくを最小限にするように努めています。さらに、成人に比べかなり小さな放射線量で撮影しますので、通常のX線撮影で何らかの放射線障害が発生することはないと考えられます。 

 

【安心して検査を受けるには】

 放射線検査の実施にあたっては、できるだけ被ばく線量を少なくする努力を放射線技師がおこなっております。放射線検査を受ける際にもし不明な点や不安なことがあれば医師又は放射線技師にご相談下さい。

 

 

まず、一歩 乳がん早期発見の為の自己検診方法!!

【月に一度の自己検診を!!】

乳がんは、自分で見つけることができる可能性が高いがんです。早期発見のためにぜひ行っていただきたいのが、セルフチェック(自己検診)です。
セルフチェックは毎月、生理が終わって一週間前後に行うと効果的です。生理前だと乳房に痛みや張りがあり、正確な判断がしづらいためです。閉経後の人は月に1度、日にちを決めて行うのが良いと思います。定期的にチェックすることで、ふだんの乳房の状態がわかり、変化に気づきやすくなり早期発見できます。
 ただし、しこりが見つかっても落ち込んでしまうのは早計です。しこりの原因は人によってさまざまで良性腫瘍や乳腺症の可能性もあります。また、乳がん以外の原因も多く考えられます。少しでも異常を見つけたら、ためらわずに早急に受診してください。

当院では専門医と乳腺エコーの検査をおこなっております。

 

乳がんの症状】

乳がんになった場合、以下のような症状が見られることがあります。

 

・乳房、わきの下にしこりがある
・乳房にひきつれ、くぼみがある
・乳頭の異常(湿疹・ただれ・分泌物)がある
・乳房皮膚の異常(発疹・はれ・ただれ)がある

 

しかし、ごく初期の段階では、しこりもわからないほど小さかったり、痛みや体調不良などの自覚症状もないことが多いのです。乳がんを放置しているとリンパ節や他の臓器に転移しやすいため、少しでも違和感を感じることがあったら医療機関で検査を受けることはもちろん、自覚症状がなくても定期的に検診を受けることが大切です。

 

乳がんの発症リスク】

最も大きなリスク要因は遺伝的なものです。とくに母親や姉妹に乳がんになった人がいる場合は、リスクは2倍になると言われています。

 また、乳がんは一般的に次のような人がなりやすいといわれています。
・初潮年齢が早かった方(11歳以下)
・出産経験のない、または初産年齢が遅い方(30歳以上)
・閉経年齢が遅かった方(55歳以上)

 これは、乳がんの発生には、女性ホルモンであるエストロゲンが大きく影響しているためです。

エストロゲンは女性の体を作るための重要な働きをしているホルモンですが、分泌されている期間が長いほど、乳がんのリスクが高まるのです。妊娠・授乳期には分泌が止まるため、それだけリスクが減ることになります。閉経後はエストロゲンの分泌が止まりますが、別のホルモンが脂肪組織でエストロゲンに変わります。したがって、閉経後の肥満もリスクの一つです。
 日本では、乳がんにかかる人は30代から増加し始め、50歳前後をピークとして減少する傾向にあります。しかし、20代でも、閉経後でも乳がんになる場合があります。年代にかかわらず、乳がんの危険性を認識して、セルフチェックを続けることや検診を受けることが大切です。

 

【自己検診の例】

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祝小学校入学!お済ですか!? MR (麻疹・風疹) ワクチン接種

 麻疹(はしか)、風疹(三日ばしか)は、それぞれのウイルスによって、皮膚を中心に症状が起こる感染症です。麻疹は冬の終わりから春にかけて、風疹は冬から初夏にかけて患者数が増加します。

どちらも乳児期後半から学童期の子どもに多い疾患でしたが、乳幼児期に予防接種を受けていない子どもが増えたために、近年は感染者の増加が問題となっています。

 

【原因】

 原因はウイルス感染です。麻疹(はしか)ウイルス、風疹ウイルスに感染している人のせきやくしゃみ、鼻水などによって感染者からウイルスが飛び散り、直接飛沫を吸い込んだり、手や肌に触れることで感染します。麻疹(はしか)は感染力が強いので、空気中に浮遊しているウイルスを吸い込み空気感染することもあります。

 麻疹(はしか)は感染するとほぼ100%発病しますが、風疹はウイルスに感染しても、20~40%の人はまったく症状がでないままで終わることがあります。

 

【麻疹(はしか)の症状】

 伝染力が極めて強いウイルスで、発熱、咳、鼻汁、目やに発疹を引き起こします。約10~

12日の潜伏期間のあと、38℃前後の熱が出て、一時的におさまりますが、再び39~40℃の

高熱と発疹が出てきます。3~4日高熱が続いたのち下がり、発疹も次第に消えていきます。

 主な合併症は気管支炎・肺炎(100人中1~6人程度)、中耳炎(100人中7~9人程度)

脳炎(1000~2000人に1人)、亜急性硬化性全脳炎という遅発性の脳炎(約10万

人に1人)などがあります。また、麻疹患者の1000人に1~3人程度の割合で亡くなる

とも言われています。予防接種をすれば合併症はほとんど起こりません。

 

【風疹の症状】

 感染してから症状が出るまでの潜伏期間は2~3週間あり、軽い風邪の症状から始まり、

発熱、発疹、頚のリンパ線が腫れるといった症状が出ます。発疹も熱も2~3日で治ること

から『三日はしか』とも呼ばれています。年長児や大人の場合重症になることが多く、2~

3日では治りにくくなります。

 妊婦が妊娠初期にかかると先天性風疹症候群といって先天性心疾患、難聴、白内障などを

もつ赤ちゃんが生まれてくる可能性があるので、妊娠前に免疫をつけておく必要があります。

                     

【予防策】

 予防策としては、麻疹・風疹のワクチンの予防接種をうけることです。麻疹(はしか)の予防接種は決められた期間であれば、国の負担で受けることができます。また、予防接種前にはしかに感染している人に接触してしまったときは、すぐに医師に相談しましょう。麻疹(はしか)は感染してから症状が出るまでに10~12日程度かかり、その間に適切な治療を受けることで軽症で済む場合があります。

 麻疹(はしか)と同様に、決められた期間であれば国の負担で予防接種を受けることができます。妊娠3カ月以内で風疹にかかると、胎児に影響が出ることがありますので、これから赤ちゃんを産む予定の女性でワクチンの接種を受けていない人は、必ず予防接種を受けましょう。自分がすでに風疹にかかったことがあるかどうかは、血液検査で調べることができます。

 

【接種期間】

・第1期:生後24~24ヵ月で接種できます。地域で流行しているときは自費で生後6ヵ月

     からでも受けることができますので医師に相談ください。

 

・第2期:5~7歳未満で小学校就学前1年間に1回接種します。

     万一、この1年間に接種しなかった場合は、自費接種となってしまいますが、できる

     だけ早く、遅くとも夏休み前までに2回目を受けることが大切です。

 

【かかってしまった時の対処法】

 発疹や発熱など、はしかや風疹と思われる症状があらわれたらすぐに受診しましょう。また、他の人にうつさないためにもはしかは熱が下がってから3日間、風疹では発疹がおさまるまでの間は幼稚園や学校、会社は必ず休みましょう。

 とくに、麻疹(はしか)では発熱によって大量の汗が出るので、こまめに水分を補給しましょう。果汁ジュースや麦茶、紅茶などは、汗で失ったビタミンや塩分も補うことができます。また、赤ちゃんは発熱があると機嫌が悪くなって飲まなくなり、脱水症状を起こすこともあります。こまめに飲ませて、十分な補給を心がけましょう

 熱があるときは、氷枕や冷却ジェルなどで頭を冷やすと楽になります。また、発熱で体力を消耗しますから入浴は控え、かわりに蒸したタオルで顔や体を拭くとスッキリとして気分も良くなります。

発熱・咽頭痛・発疹、溶連菌感染症に注意!!

溶連菌は1年をとおしてうつる可能性がありますが、流行しやすい時期があります。感染を防ぐために、対策をしっかりとしておきましょう。

【傾向と流行時期】

溶連菌感染症が流行するピークは年に2回あります。一度目は、春から初夏にかけて、二度目は冬です。

溶連菌は、以前は「溶解性連鎖球菌」と呼ばれており、この菌に感染して起こる病気が「溶連菌感染症」です。溶連菌には健康な体には害のないものから病原性の強いものまでさまざまな種類があり、小児科で問題となっているのが咽頭炎を起こす「A群β型溶連菌」です。感染しても無症状の場合が多いのが特徴ですが、実は害毒が強く大きな病気になり易いということでよく知られた細菌です。溶連菌感染症は子どもの病気というイメージがありますが、大人の発症もあるので油断は禁物です。

2015年に、溶連菌感染症の患者は増加傾向にあるとの報告がありました。患者数が過去10年間で最高に達したとのことです。流行の度合いによっては警報を出す自治体も多くなってきています。

また、溶連菌感染症は、ほかのウイルス疾患の流行時期と重なることもあるため、インフルエンザやアデノウイルスマイコプラズマといったウイルス感染との混合感染も見受けられます。

 

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【症状・特徴】

「A群β型溶連菌」が引き起こす急性咽頭炎のほか、扁桃炎、猩紅熱(しょうこうねつ)、急性糸球体腎炎、リウマチ熱など溶連菌感染で起きる病気はさまざまです。中でも子どもに多い急性咽頭炎は、通常の風邪よりも熱が高く、のどの粘膜が赤く腫れて強い痛みを伴うのが特徴であり、発疹や舌の表面に赤いブツブツができる「苺舌(いちごじた)」や舌の皮が剥がれるなど、さまざまな症状が現われます。扁桃腺が腫れて膿が溜まるのも典型的な症状です。また、合併症を引き起こしやすい細菌とも言われています

 

【潜伏期間・感染経路】

潜伏期間は2~5日で、多くの場合、発熱、咳、のどの痛みから発症します。

溶連菌の主な感染経路は「飛沫感染」。患者の咳やくしゃみによって菌を含んだ唾液などの飛沫を吸い込むことで、呼吸器系に感染します。家庭や学校などの集団での感染が多く、中でも姉妹兄弟は最も感染しやすく約50%、親子間では約20%との統計があります。

  

【大人が感染した場合】

大人は溶連菌に対する抗体を持っている人が多いため、感染しても子供のような症状が出ないことが多いようです。感染しても気づかない「無症状感染者」が多いのが特徴です。

しかし、発症すると子供よりも症状が重かったり、重症化して死亡する割合が高いとされているので、溶連菌感染症の症状が出たら、すぐに医療機関を受診し治療を始めるようにしましょう。

 

【予防・対策】

残念ながら、溶連菌感染症の予防接種はありません。咳(せき)やくしゃみなどの飛沫により感染するため、手洗いやうがいを徹底したうえで、マスクを着用しましょう。

また、溶連菌は家庭内感染するケースが多いという特徴があります。家族内で感染者が出た場合は、食器やタオルなどの共有は避けてください。家の中でもマスクを着用すると、より予防効果が上がるでしょう。

成人の場合は、ほとんどが溶連菌に対する抗体を持っていることから、未成年ほど感染の可能性は高くありません。そのため、予防目的で抗生物質を服用する必要も特にないでしょう。

 また、赤ちゃんへの感染は比較的少ないので、大きな心配はありません。ただし、まったく感染しないというわけではないので、油断は禁物です。

一般的に、溶連菌感染症の症状は風邪や咽頭炎、扁桃炎と似ていることから、気づきにくいという特徴があります。早めに治療をして周囲に広めないためにも、のどの痛みや発疹などの典型的な症状が見られたら、すぐに受診しましょう。

嘔吐・下痢などの感染性胃腸炎が急増中!!

嘔吐・下痢などの感染性胃腸炎が急増中!!

【症状】

  • 嘔吐、下痢が主症状ですが、その他、軽度(37~38℃)の発熱、腹痛など個人差があります。
  • 乳幼児や高齢者など体力の弱い方は、下痢、嘔吐などで脱水症状を起こすことがありますので、注意が必要です。
  • 通常、1週間以内で回復しますが、症状回復後も1週間程度はウイルスの排出が続きます。

 

【原因】

 病原体として、細菌ではサルモネラカンピロバクター腸炎ビブリオ、病原性大腸菌などがよく知られています。ウイルスで多いのは、成人ではノロウイルス小児ではロタウイルスです。寄生虫としては、赤痢アメーバ、ランブル鞭毛虫などがあります。

 感染源としては、カンピロバクターでは鶏肉が圧倒的に多く、サルモネラでは鶏卵によるものが最多ですが、イヌ、ミドリガメなどのペットが感染源となることもあります。腸炎ビブリオでは魚介類、腸管出血性大腸菌では牛肉、未殺菌乳が主な感染源です。ノロウイルスは、近年では冬期の食中毒の原因として最も多い病原体で、生ガキからの感染によるとされてきましたが、最近では便や吐物からのヒト‐ヒト二次感染が問題になっています。

 

【主な原因病原体と潜伏期間】

 

・ウイルス:ノロウイルス(1~3日)ロタウイルス(1~3日)

 

・細菌:カンピロバクター(2~11日)、病原性大腸菌(12~72時間)

サルモネラ(12~36時間)

 

【ノロ・ロタウイルスについて】

 

  1. ノロウイルス

・ウイルスの中でも、小型の球形ウイルスで、人の体内でしか増殖しない。

・感染力が強く、少量のウイルス量でも感染する。

・低温状態でも長く生き延びるため、冬季に感染性胃腸炎を多く発生させる。

  1. ロタウイルス

・人から人への感染が主となる。

・冬季の乳幼児の下痢症の原因として最も多い。

・嘔吐は1~2日続き、下痢は、白色を呈する

 

 

【治療】

 

 ウイルスが原因の場合には、対症療法が中心となります。また、細菌によるものであれば、抗生物質などが有効です

 

【予防対策】

 

  • 帰宅時や食事の前、トイレの後に、石けんでよく手を洗いましょう。
  • 感染した人の便やおう吐物には、直接触れないようにしましょう。

(使い捨ての手袋やキッチンペーパーなどを使って処分しましょう。)

  • 調理をする場合は、よく加熱(85℃、1分間以上)しましょう。

 ※資料

 

【嘔吐物処理の注意点】

   

  二次感染予防のために、以下のような注意が必要です

 

  1. 吐物等の拭き取り、汚染された衣類等の片づけの際には、ビニール手袋やマスク等を用いて、直接の接触を防ぐ
  2. 吐物等の拭き取りに使用したペーパータオル等や汚染された衣類等は、衛生的に廃棄するか、捨てられないものは塩素系漂白剤または熱湯でつけ置き洗いする。
  3. 吐物のあった床等は、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度約200ppm:市販の塩素系漂白剤の塩素濃度は5~6%なので250倍に希釈)で浸すように拭き取る。(塩素ガスの発生に注意)
  4. 嘔吐物等を処理した場合は、必ず十分な手洗いとうがいを行う

 

※必ず、上記の症状が出た場合は早急に受診し、他の人にもうつさないように感染防止をお願いします。

花粉症の季節がやってくる!!今年の予測と対策

【2016年花粉の飛散数予測】

2016年春のスギ+ヒノキ(北海道はシラカバ)の飛散数は、東北地方のほとんどの所では例年並みかやや多いという予測になっていますが、そのほかの地域では例年並みか例年を下回る見込みです。四国地方や九州地方では非常に少ない所もあるでしょう。
前シーズン(2015年)の飛散数に比べると、九州・四国・中国・東海・関東甲信地方では前シーズン並み以上の飛散となる見込みです。九州・東海地方では2倍以上の花粉が飛ぶ所もあるでしょう。近畿・北陸・東北地方では、やや少ない飛散となる見込みです。北海道のシラカバ花粉は、例年に比べると非常に少なく、前シーズンと比較するとやや少ない見込みです。

 

花粉飛散数(花芽の形成)は、前年の夏の気温が高く、また日照時間が長いと多くなります。逆に気温が低く、日照時間が短いと少なくなります。2015年の夏は、北・東日本と西日本で天候が分かれました。気温は、7月下旬から8月上旬にかけて太平洋高気圧の張り出しが強まった東北地方、関東甲信地方で平年より高くなりました。一方、前線や台風、南からの湿った空気の影響を受けやすかった近畿地方から西の地域では平年より低く、西日本は2年連続の冷夏となりました。気温の高い時期と低い時期があった北陸・東海地方では平年並みでした。日照時間は、北海道や東北地方、北陸地方関東甲信地方はほぼ平年並みで、東海地方から西の地域では少なく、西日本太平洋側では特に少なくなりました。降水量は、北海道や東北・北陸地方は平年並みか少なく、そのほかは平

年並みか多く、西日本太平洋側ではかなり多くなりました。
西日本では昨年同様、低温・日照不足・多雨となり花芽が多く形成される条件は揃いませんでしたが、2015年の花粉飛散数が非常に少なかったことから2015年に比べると飛散数が増える見込です。

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【花粉症対策の基本】

花粉症の症状を軽くするためには、早期受診・治療とともに花粉が体に入ってこないようにする注意や工夫が大切です。花粉症対策にしっかり行い、つらい花粉症シーズンを乗りきりましょう。

①外出時の花粉症対策

  • 花粉情報をチェック

テレビやインターネットで気象情報や花粉情報を入手しましょう。

 

  • 花粉情報の要注意日

1:天気が晴れまたは曇り

2:最高気温が高い

3:湿度が低い

4:やや強い南風が吹き、その後北風に変化したとき

5:前日が雨

 以上から、前日または当日の未明まで雨で、その後天気が急に回復して晴れ、南風が吹いて気温が高くなる日が要注意日となる。

 

  • 外出時は完全防備

帽子・メガネ・マスク・マフラーを身につけ、コート等もツルツルした素材を選びましょう

 

  • 外出を控えめにする

花粉の飛散の多い日は特に注意が必要です。1日のうち飛散の多い時間帯(午後1時~3時頃《注:地域によって差があります》)の外出もなるべく控えましょう。

 

  • 帰宅時は玄関での対策を

衣服・ペットなどについた花粉は、きちんと外ではらって玄関でシャットアウトします。なるべく室内に持ち込まない工夫と努力をしましょう

 

  • 帰宅後は洗顔やうがいをする

体についた花粉はきちんと洗い流しましょう。毎日の習慣として心がけましょう。

 

 

②家の中での花粉症対策

 

  • ドア・窓を閉める

花粉の飛散が多いときは、きちんとドアや窓を閉めて、花粉の侵入を防ぎましょう。

 

  • 掃除はこまめにしましょう

防いでいるつもりでも、室内にはかなり花粉が侵入しているので掃除をこまめに行いましょう。床がフローリングであれば毎日拭き掃除を行うと効果的です。
また、きれいな室内はダニアレルギー対策にもなります。

 

③就寝時の花粉症対策

 

  • 布団を外に干さない

外に布団を干してしまうと花粉がついてしまうので、布団乾燥機などを活用しましょう。
また、どうしても干したいときは、花粉の飛散量が少ない午前中に。取り入れる際は花粉をはたいて、さらに布団の表面を掃除機で吸うと効果的です。

 

  • 枕元の花粉を拭き取る

床の上はもちろん、ベッドにも花粉はたまっています。寝ているときに花粉を吸い込まないように、枕まわりの約1mぐらいを水で少し湿らせたティッシュやタオルで拭き取りましょう。

 

  • お風呂・シャワーで花粉を流す

お風呂やシャワーは朝に入るという人もいますが、花粉の時期は寝る前に花粉をしっかり洗い流してから布団に入るようにしましょう。

 

  • 空気清浄機を活用

空気清浄機を使いながら寝るのもぐっすり睡眠をとるためのポイント。また、風邪の予防にも役立ちます。

 

 

しっかり対策をして、嫌な花粉症の季節を乗り切りましょう!!